自分で不眠の症状を自覚してから、眠れるようになるためにどうしようと考えますか?
・市販の睡眠薬で様子を見る
・規則正しい生活を心がける
・病院へ行く
・通販で睡眠薬を買ってみる
など、試してみたい手段はいろいろとあります。
いずれにしても、不眠によって日中の活動に支障をきたし始めているなら、睡眠薬を使って眠ることがベター。睡眠不足が続くと、肉体的にも精神的にも負担が大きくなってしまいます。
不眠の症状が続いたらどうする?
自分の症状にぴったり合った睡眠薬を選ぶには、医師の診断をあおぐのが安心ですよね。
とはいえ、
「眠れないというだけで病院に行くなんて…」
「精神科へ行くのには抵抗がある」
など、なかなか医療機関へ足が向かないという人がいるかもしれません。
また、不眠症なら精神科でしょ?という認識の人も多いのではないでしょうか。
不眠症の原因や症状には個人差があり、精神科でなくても診断はしてくれますし睡眠薬も処方されます。
精神科へ行くのはハードルが高いから、何科を受診すればいいかわからないから、といって不眠症を放置していると、どんどん悪化して治療が長引いてしまいます。
内科なら相談しやすい
風邪をひいたときにいつも行く病院があるという人は、まずはその病院へ行ってみてもいいでしょう。
また、ふだんはほとんど病院へ行くことがないという人も、内科なら受診しやすいのでは?
内科医にも不眠の相談はできますし、睡眠薬を処方してもらえます。
不眠症が重症化している、適切な処置ができないというケースなら、必要に応じて他院や専門科への紹介もしてくれるので、“とりあえず内科へ行ってみる”という選択肢を持っておくといいでしょう。
女性特有の不調かも…婦人科へ
女性が不眠に陥っている場合、原因としてPMS(月経前症候群)や更年期障害などが考えられます。
女性の身体は繊細で、心も身体もホルモンバランスひとつで大きく変動します。眠りたくても眠れない、眠りが浅いといった不眠症状が現れたときには、婦人科やレディースクリニックを受診してみるのもひとつの方法です。
睡眠薬による対処療法はもちろん、ホルモンや自律神経の乱れを整えるなどの根本的な治療も進めていけるでしょう。
心の不調を自覚しているなら精神科・心療内科
ストレスや不安など、精神的なトラブルが原因で眠れなくなっている場合、眠れないことが心の負担になってしまったときには、思いきって精神科を受診しましょう。
また、心療内科は大きくいえば内科で身体の症状を治す診療科です。ただ肉体を治療するだけでなく、原因となっているメンタルの回復を図り、心と身体の双方からアプローチして効果的な改善を目指します。
ほかにも「メンタルヘルス科」や「メンタルクリニック」などの医療施設がありますが、これは病院によって定義や診療項目は異なってきます。
精神科という言葉が持つマイナスイメージから遠ざかるために、呼称を変えてハードルを下げているんですね。
睡眠薬を安全に服用する
病院を受診して睡眠薬での治療を行うことには、
・自分の症状にいちばん適した睡眠薬を選んでもらえる
・効果が強く副作用が懸念される睡眠薬でも、医師の指導のもとなら安心して服用できる
といったメリットがあります。
「睡眠薬は怖い薬」という印象を持っている人がいるかもしれませんが、指示通りの量と方法を守れば危険はなく、効果的かつ良質な眠りを得ることができます。
病院で処方される睡眠薬とは
医薬品として用いられている睡眠薬は、主にベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系があります。
GABAという脳内物質の作用を促がすことで、脳の興奮・緊張状態を和らげて眠りやすくするというもの。筋弛緩作用や催眠作用もあるので、スムーズな入眠を促がして効果的に睡眠を持続させる働きがあります。
薬によって作用時間が異なるので、長時間タイプの睡眠薬では翌日に眠気やふらつきなどを引きずってしまうことも。こういった心配を防ぐためにも、医師の診断と処方が得られると安心ですね。
ほかにも、脳の休息を促がすメラトニン受容体作動薬や、覚醒を阻害するオレキシン受容体拮抗薬という睡眠薬もあります。
これらは体内時計のリズムを整える効果があり、より自然に眠りたいという人におすすめです。
いずれも、医師の適切な判断のもと活用される睡眠薬ですから、飲み方や分量を守って安心して症状改善に生かしましょう。
安全に不眠症を治していこう
不眠症の治療にとって重要な存在の睡眠薬ですが、成分によっては継続していると効きづらくなったり、依存してしまう場合もあります。
睡眠薬を飲むとぐっすり眠れるという安心感が、薬を飲まなければ寝られないかも…という不安を生んでしまっては、不眠症の完治は難しくなってきます。
眠ることができたという成功体験の積み重ねと、体質や生活習慣、心理的要因の改善を進めていくことで、睡眠薬がなくても眠れるようになるのが回復です。
依存性や副作用に気を配りながら、必要なときに必要な薬を用いるということが大切。
依存性の少ない薬物を併用しながら、少しずつ作用の弱い睡眠薬に移行していこうと提案する医師もいるでしょう。
このように個別の状況に応じてフレキシブルに治療方針を変えていけるのは、通院ならではのメリットです。
睡眠薬を使うことが不安だという人は、医師に相談して自分の症状や睡眠薬の働きについて詳しく教えてもらうのがベター。安心して不眠症と向き合えれば、薬の力を借りて眠ることの不安はなくなるはずです。