アモバン&改良版ルネスタの効果と副作用

1989年に販売開始されたアモバンは「ゾピクロン」を、2012年販売のルネスタは「エスゾピクロン」を主成分とする、非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。
どちらも優れた即効性と副作用のリスクが少ないことが特徴で、睡眠薬の中でも比較的安心して服用できる薬です。

アモバンは2016年に向精神薬に認定され、処方薬では30日の投与制限が設けられ、個人輸入も規制の対象となっています。
そこで人気が上がっているのがルネスタですが、それぞれ不眠に対してどのような作用を持つのかを詳しくみていきましょう。

アモバンの作用の仕組み

非ベンゾジアゼピン系であるアモバンは、GABA受容体作動薬のひとつ。
GABAという神経伝達物質が脳の活動を抑制し、脳のストレスや緊張状態を緩和させることによって入眠を促がす作用があります。

睡眠作用だけでなく、抗不安作用や筋弛緩作用も高いベンゾジアゼピン系と比べて、非ベンゾジアゼピン系は催眠・鎮静作用に特化しているのが特徴。ふらつきが少なく、より眠ることだけを求めて作られた薬なのです。

アモバンの効果

睡眠薬は、効き目が現れるまでのスピードと作用時間の長さによって効果が判断されます。

血中濃度がピークに達してから半減するまでにかかる半減期が、睡眠作用の継続目安です。
アモバンは半減期4時間ほどの超短時間作用型
服用後およそ15~30分で眠気が訪れ、1時間後には血中濃度が最高値に。寝ているあいだに少しずつ血中濃度が低下し、4時間後には半減しています。
血中濃度が半分ほどになると薬の効き目はほとんど感じられなくなるので、作用時間も4時間ほど。翌朝に寝坊をしてしまったり、眠気が残っているという心配もありません。

寝る前に睡眠薬を飲む

アモバンの長所はなんといっても即効性の高さ
じんわりと効かせるタイプではないので、服用した夜からさっそく眠らせてくれます。

薬を飲んでから眠気が現れるまでもスピーディーなので、翌日の準備や就寝環境をしっかりと整えてから服薬すると安心。
入眠障害に最適な薬なので、睡眠時間が短いと効果が乏しく感じる人がいるかもしれませんが、催眠作用によって深い眠りを維持する働きから中途覚醒の改善は期待できるようです。

アモバンの副作用

ごく短い時間で効果を発揮するアモバンは、もうろう状態や一過性前向性健忘などの副作用には注意が必要です。
服用から入眠までのあいだにどんなことを話したか、何をしていたかを覚えていない、というのが健忘。
知らないうちに誰かに電話をしていたり、部屋の掃除をしていたりと、ちょっと怖い症状ですが、薬の成分によって不完全な覚醒状態が起こることで記憶にまつわる機能だけが作動しなくなるために起こります。
量が多過ぎた場合や急に増やしたとき、お酒と一緒に服薬したときに見られることが多いので、服用には十分に配慮しましょう。

また、独特の苦みもデメリットのひとつ。
飲む瞬間だけでなく、翌日も味覚がおかしいという人もいるほど。ただ、苦味の感じ方には個人差があって、服用を断念するほどという人もいればさほど気にならないという人もいます。
どうしても耐えられないという場合には、薬の変更を検討するのがベターでしょう。

ルネスタの特徴

睡眠薬の中では歴史の短いルネスタですが、アモバンと同じように脳の興奮状態を鎮めて眠気を誘うというもの。
アモバンのゾピクロンと比べて、より睡眠の作用が強いエスゾピクロンが主成分なので、一度の摂取量が少なく済みます。(アモバン7.5mg/ルネスタ1~2mg

ルネスタの効果

ルネスタは半減期4~5時間の超短時間型
即効性が魅力の睡眠薬です。薬を飲んでから30分程度で眠気を感じはじめ、1時間ほどで血中濃度がピークに達します。
眠りたくても眠れないと悶々と過ごしている入眠障害にピッタリの睡眠薬と言えるでしょう。
また、作用時間はおよそ5~6時間。睡眠時間として適度な長さなので、中途覚醒や早朝覚醒の改善にも期待できるというメリットがあります。

翌日に眠気を引きずることがないのも非ベンゾ系の利点。一定の作用時間を持ちながら、スッキリと目覚めることができるのはうれしいポイントです。

ルネスタの副作用

睡眠薬の副作用

ルネスタは安全性が高いとされる睡眠薬ですが、それでもいくつかの注意点はあります。

薬を飲んでから眠りにつくまでに何をしたのかを覚えていないという記憶障害(前向性健忘)は、あまり見られない症状ではありますが注意しておくに越したことはありません。
安全に眠れる環境を整えてから服用することを習慣にしておくと安心ですね。

また、不快な苦味も副作用のひとつと言えます。
アモバンと比べて大幅に軽減されているので味覚障害になるほどではないとされていますが、それでも翌朝まで苦味を引きずる人もいるようです。

アモバンとルネスタを比較

ほぼ同じ成分でできていて、極めて近い効果・作用を持つアモバンとルネスタ。
では、どっちでもいいのでは?と感じる人もいますよね。
どちらの方が「使える睡眠薬」なのか、具体的に比べてみましょう。

効果が優れているのは?

脳の興奮や緊張を緩和することで眠りやすくするという作用はどちらも同じ。
では、その効果が現れるのが早いのは?

・アモバン/服薬から入眠まで15~30分
・ルネスタ/服薬から入眠まで25分

個人差はありますが、アモバンの方が早く効く!と感じる人が多そうです。
作用の持続については、アモバンの半減期3~4時間でルネスタが5時間なので、ルネスタの方が若干長く寝られると言えますね。

効きが早いのはアモバンだけど、長持ちするのはルネスタ。
しかし差はほんの少しなので、どちらに軍配があがるのかは個人差によるということになりそうです。

大きく異なるところは、薬のカテゴライズです。
アモバンは向精神薬なので30日の投与日数制限がありますが、普通薬のルネスタは医師の判断で30日以上の処方が可能。
また、普通薬は個人輸入代行の通販サイトでも購入できるので、通院の手間をカットできるという点ではルネスタに魅力を感じる人も多いのではないでしょうか。

デメリットが少ないのは?

どちらも非ベンゾ系睡眠薬なので副作用の心配は少ないとされていますが、一番のデメリットとも言える苦味があります。
強い苦味に耐え切れず服用を諦めたという人も多いのがアモバン。
ルネスタはその苦味が大きく減ってかなり飲みやすくなっていますが、味覚には個人差があるのでまたまだ苦いという人もいるようです。

また、どちらも耐性(薬に慣れて効きにくく感じる)や依存のリスクはごくわずかですが、アモバンは長期服用によって効きが悪くなるケースも。
そうすると量を増やしたり薬を変えたりといった対策が必要ですが、ルネスタでは耐性がつくことはほぼありません。同じ量の服用で安定した効果が得られます。

薬価は1回1錠の服用で、

アモバンは7.5ミリ錠/23.1円
ルネスタは1ミリ錠/51円

ルネスタの方が割高です。

効果の持続性や苦味の程度、価格など、どこにプライオリティを置くかは人それぞれですから、なにがメリットでデメリットか、どちらが優れた睡眠薬かを決めるのは服用する人次第ということですね。

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